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赤ちゃんの大切な思い出をつづるフォトブックには「Baby365」だけのこだわりがたくさん!
Baby365のフォトブックを印刷・製本くださっているのは、日本屈指の印刷会社、大日本印刷さんです。「こんなフォトブックを作りたい」というイメージだけの段階からずっとBaby365を担当くださっている大日本印刷の田邉さんといっしょに、Baby365誕生までを振り返りました。
                     
                
いくつもの印刷所から不可能と断られたBaby365
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                    高沖 Baby365は、大日本印刷(DNP)さんなしにはスタートできませんでした。実はDNPさんに企画を持ちこむまでに、いくつもの印刷所から「難しすぎる」「うちではムリ」と断わられていたんです。アプリの制作はどんどん進んでいるのにフォトブックの見通しが立たず、本当に困っていました。 
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                    田邉さん そうだったんですか。 
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                    高沖 でも田邉さんはすぐに「作れます」とお答えくださって。ですから私はBaby365を印刷できるのは日本でDNPさんだけだと、そう思っています。 
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                    田邉さん そうですね。「技術的には作れます、可能です」という意味でした。でも実際の運用を考えると、ギリギリの部分もありました。 
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                    高沖 どういった点が難しかったのでしょう? 
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                    田邉さん 一般的なフォトブックはあらかじめページ数が決まっているのがふつうです。でもBaby365はお客様によってページ数が違う、つまりフォトブックの厚さが違います。ですから今は製本に使う背表紙を7パターン用意して、厚さに応じて使い分けています。 
                     
                
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                    高沖 なるほど!そんなお手間をおかけしていたんですね。最大366日分の厚さもフォトブックとしては印刷できるギリギリと伺っています。 
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                    田邉さん 小説のようにたくさん印刷するものと、フォトブックのように個人のために1冊ずつ印刷するものとでは使う印刷機が違うからです。フォトブックはお客様の個人情報でもあるので、多くの人間が出入りすることのない限られたスペースで印刷を行っています。そこに収まる機械で印刷できるものとしては、ギリギリの厚さですね。 
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                    高沖 しかも、製本の仕上げは1冊1冊手作業で行っているとか。驚きました。 
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                    田邉さん 機械で製本する方法もあるのですが、Baby365は厚さが1冊ずつ違うので微妙な力加減が必要になります。1冊1冊本の厚みが違うのに、表紙と中の紙の間によけいなたるみがないでしょう?これは手作業だからできることで、実はすごいことなんですよ。 
                     
                
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                    高沖 他の印刷所から不可能と断られた理由が分かりました。DNPさんといえば日本でも1.2の規模の印刷会社です。こんなことをお聞きするのはヘンかもしれませんが、こんなに手間のかかるBaby365の印刷をどうして引き受けてくださったのですか? 
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                    田邉さん もともと「水と空気以外は印刷できる」というのがDNPの理念です。ふだんから手間のかかる仕事にも泥臭く取り組んでいく社風ではあるかもしれませんね。 
試作、また試作!フォトブックのサンプル完成まで1年。
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                    高沖 「できる」とお答えいただいてからも、紙や印刷の仕様を決定するまでにかなり時間をかけてしまいました。 
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                    田邉さん 高沖さんは最初真っ白い紙にマットな印刷がいいとおっしゃったんですが、赤ちゃんの肌をキレイに印刷するには少し黄色みのある紙のほうがいいのではないかと提案させていただいたりもしましたね。 
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                    高沖 いろいろな写真を使って何度も何度も試し刷りをしていただきました。確かに人物は少し黄色みのある紙がキレイで、でも海や空は少し青白い紙がキレイで…迷って迷って。 
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                    田邉さん 今Baby365に使われているのは、本当の真っ白に近い紙ですね。 
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                    高沖 マットな質感にもこだわりがあったのですが汚れがつきやすいとアドバイスいただいて、表紙だけは少し光沢のある印刷にしたり、ウラ映りしない紙の厚さにこだわったり。あの時の試し刷りが残っていまして、こんなに!オフィスにはもっとあるかもしれません。 
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                    田邉さん こんなに(笑) 
 印刷前の真っ白い本のサンプルを束(つか)見本というのですが、たしか「これで行こう」というものができあがるまでに1年くらいかかりましたね。完成したときは制作現場にどよめきが起こったのを覚えています。
                     
                
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                    高沖 やっとか、みたいな(笑)中の紙が決まってからも表紙をもっと厚くしたいとか、いろいろ相談させていただきましたものね。 
 赤ちゃんの大切な思い出をつづるものだから、ふさわしいブックにしなくてはという思いでした。
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                    田邉さん そうですね。Baby365のように表紙が本文より少し大きく、固い紙を使っている本を上製本というのですが、本文を保護できるというメリットもあるんですよ。 
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                    高沖 10年、20年と大切にとっておきたい赤ちゃんのフォトブックにはぴったりですね。 
製本から印刷までの徹底した安全管理
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                    高沖 すばらしいフォトブックができて、本当に感謝しています。ぜひ工場に見学に伺って、Baby365を作ってくださっている方々にお礼を伝えたいのですが。 
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                    田邉さん Baby365は国内の工場で印刷していますが…すみません、見学はお断りしています。どこで印刷しているかもお伝えすることはできないんです。 
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                    高沖 そうなんですか。 
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                    田邉さん 先ほども少し触れましたがフォトブックは個人情報ですから、決まったひとつの部屋だけで印刷から製本、出荷の準備まで行っています。入れるのはBaby365に携わる10名くらいの決まったスタッフだけで、私も入ることが許されません。 
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                    高沖 そこまで徹底した安全管理がされていると思うと、安心です。 
 アプリのリリースから1 年がたち、お客様からのご注文が徐々に増え始めました。これからもどうぞよろしくお願いします。
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                    田邉さん 正直、最初に難しいなと感じたのは1年かけて1冊のブックを作ることでした。1年間もアプリを使い続け、注文してくださるお客様がどれくらいらっしゃるんだろうと。でも今は、これからが楽しみです。 
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                    高沖 ありがとうございます。たくさんの方にフォトブックを手にしていただけるよう、がんばります。 
1冊1冊丁寧に作っているため、ご注文いただいたフォトブックのお届けまで20日ほどお時間をいただいております。どうぞ楽しみにお待ちください。
text:Mihoko Yamami
photo:Naoki Hirabayashi
